いざという時にあわてない救急方法!

■打撲傷

打撲傷とは体を打ったために起こる内部の傷のことで、軽い打撲の場合は皮下組織が壊れて内出血しあざができます。
軽い打撲の場合、患部を冷やすと痛みが軽くなります。
打撲傷がひどいと、骨折したり内臓が破裂するなど複雑な症状があらわれます。 打撲が重症かどうかをまず判断しましょう。
次のような症状があれば大変危険な状況です。応急手当をして一刻もはやく搬送しなければなりません。
◆鼻や耳から血や水のような液体が出ている
◆頭を打って意識がない
◆顔色が悪く冷や汗や吐き気をもよおしている
◆両腕や両足を反らせたり、けいれんを起こしたりしている
◆吐き気や嘔(おう)吐がある
◆呼吸困難を起こしている
◆手足がまひしている

頭を打った時は頭部を揺り動かしててはいけません。左右の瞳の大きさが違っていたり、鼻血や意識障害がある時は頭蓋骨内で出血している可能性があります。安静にして頭部を少し高めして寝かせ頭を冷やします。
意識不明の時は横向きに寝かせて気道確保します。

胸を強く打った場合、肺が破れていることもあるので上半身を起こして安静にします。 胸を氷のうなどで冷やし静かに呼吸させます。呼吸やせきで胸が痛むようなら、肋骨が骨折している可能性がありますから静かな呼吸をします。

骨折の基本的な手当て
@手当てができるように骨折した部分の着衣をハサミで切り開く
A骨折した部分の両側にある関節の上下部分まで副木(そえぎ)をあてる。 副木は固いものなら何でも代用できる。
B副木の上から三角巾や大きめのスカーフ、布やテープなどを巻きつけ固定しすみやかに病院へ行く。
◆患部を冷やすと痛みをやわらげることができる
◆骨折したところを強く触って動かすとまわりの神経を傷つけることがあるので注意すること

脱臼(だっきゅう)
激しい運動をしているときに肩がはずれたり、ひざのじん帯が切れたり関節がはずれることを脱臼といい急に激痛が起こり動かせなくなります。
◆脱臼の応急手当
@脱臼したところを絶対に動かさないように安静にして冷やす
Aそのままの状態で早めに整形外科医の診察を受ける


■ねんざ
足首をねじったりして関節部に激しい痛みを感じ、関節のまわりがはれ上がってしまった時は捻挫を疑います。
関節に無理な力が加わって起こったものですから、まず動かさないこと、そして固定することが大切です。
◆ねんざの応急手当
@通常は患部がはれる前に衣服や靴下を脱がせるが山歩きの場合は登山口まで登山靴で下る方が良い
A皮下出血がなく痛みやはれがない場合は3〜4日冷やす。 皮下出血があり痛みやはれがある場合は充分に冷やし患部を固定する。
⇒はれがひくまで温めない。マッサージは治りを遅らせる原因になるのでしない!

※骨折と捻挫を見分けるには
骨折した場合は痛みが激しく、少し動かしたり触れたりしただけで激痛を感じます。ひどい場合は顔面が蒼白になり冷や汗をびっしょりとかき脈や呼吸が弱くなる軽度のショック状態を起こします。
骨折するとそのまわりが内出血ではれあがり、その部分をさわってみると普通と違う方向に動いたり骨がずれていたりします。
捻挫は関節に不自然な力が無理に加えられて起こるものなので骨そのものには異常がありません。捻挫は特に足首に多く青くはれあがって痛くて動かせないこともあります。
どちらの場合も患部を動かさないようにして早く整形外科医の診察をうけましょう。


■ぎっくり腰
筋肉を使いすぎたり、急に伸ばした時などに筋肉の結合繊や筋肉繊が傷ついて痛くて動かせなくなった状態がぎっくり腰や寝違えです。 ぎっくり腰は急に重い物を持上げたり急に腰をひねったときなどに起こります。
◆ぎっくり腰の応急手当
@横向きに寝て、エビのように背中を丸めて安静にする
A仰向けの寝るときは、ひざの下に座布団などを置く
B最初の1〜2日は冷湿布をして患部の炎症をやわらげる
C2〜3日目は温める
※安静にしていても痛みがおさまらない場合は整形外科医で治療する。椎間板ヘルニアなどの病気が原因の時もある。

■肉離れ
運動中に筋肉が急に強い力で引伸ばされ筋肉を構成する筋繊維束が伸びすぎたり、筋肉を包んでいる筋膜が切れたりするのが肉離れです。
ふくらはぎの他にも太もも、肩、首などでも起こり裂くような激しい痛みや衝撃のあとはれて動かせなくなったりします。
◆肉離れの応急手当
@患部を固定して安静にする
A固定した上から氷のうなどで冷やし整形外科か外科へ
⇒患部が激しく痛むので決して歩かないこと、軽傷の場合でも1〜2週間は安静にする。

■こむらがえり
ふくらはぎの筋肉が異常なけいれんを起こすいわゆる「足がつった」状態がこむらがえりです。
急激な運動をした後や足に負担がかかった後では睡眠中に起こることがあります。
⇒原因は過労、運動不足などが挙げられますがたびたび起こるような時は他の病気が疑われるので一度医師の診察を受けましょう。
◆こむらがえりの応急手当
@足の親指をすねの方向へ引っ張って、ふくらはぎの筋肉を伸ばすようにする。
A力を抜いて、土踏まずのまわりをていねいに指でよくもむ。

■出血時の状態別止血法
◆血液がジワッと皮膚の表面からにじみだす状態(直接圧迫法)
⇒毛細血管からの出血なのであわてずに傷口の汚れを洗い落とし傷口に清潔なガーゼやハンカチを当てて強く押さえる。

◆少し黒ずんだ色の血液がジワジワと持続的に流れ出す状態(直接圧迫法)
⇒静脈からの出血と考えられるが出血が多い場合は傷口の消毒よりも止血を優先させる。ガーゼなどを当てて止血しさらに包帯などで巻きます。

◆真っ赤な色の血液が傷口から心臓の鼓動のあわせてピュッピュッと吹き出す状態
⇒動脈からの出血で大変危険な状態です。 とにかく患部をガーゼ等で圧迫して止血します。 止血できない場合は傷口より心臓に近い動脈の部分(脈がふれる部分)を押さえつける。 それでも止まらない場合は止血点に「止血帯」を巻く。

※止血帯=手足の出血などで、直接・間接圧迫方法で止血できない時に使う。止血帯には幅5cm以上あるものを用いて、ひざやひじから先は神経を傷つけるおそれがあるので、止血帯で締め付けないように注意し必ずひざやひじよりも心臓に近い部分にします。 止血帯は1時間以上しておくと危険ですから少なくとも30分毎にゆるめること。

※間接圧迫法=傷口に包帯を巻き直接圧迫法をした後、心臓に近い動脈の止血点(脈を感じる所)を手や指で強く圧迫する。
@指の出血は指の付け根を指先で強くつまむ
A手の出血は手首を押さえる
B腕の出血は親指を使ってわきの下を圧迫する
C足からの出血はふとももの付け根を両手で体重をかけながら圧迫する
D顔からの出血は耳のすぐ前にある脈のふれるところを圧迫する

■心臓発作がおこった場合の応急手当
@呼吸が楽な姿勢をとり安静にします
Aネクタイやベルトなど体を締め付けているものをはずし衣服もゆるめる
B次に呼吸と脈を調べ、呼吸をしていなければ気道を確保して人工呼吸をする
C脈を感じない時は心マッサージを行なう

以上我が家の救急ブックより抜粋

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